カテゴリ:建築綴り( 14 )

竣工

09年1月31日、やっと出来上がった。
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構想9年・・・念願の「週末田園暮らし」がようやくここで始まる。
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これからは、
草刈りや畑作業を終え、レジャーシートの上でブヨに刺されながら着替えなくてもいい。
トイレに行きたくなっても、困らない。
とつぜん雨が降ってきても、狭い車の中に避難しなくていい。
汚れた手もすぐに洗えるし、水も飲める。 
お昼には温かな食べものがとれる。
音楽も、大音響で聴ける。 
長年の憧れ、ターシャのような暮らしに近づける。

・・・数えきれないほどの嬉しさがこみ上げてきた。

使われた材は、この場所に100年以上かけて育ってきた杉。 まさに地産地消の世界だ。
目の前にそびえ立っていた木が、今またここで生きていく。 
木は加工されても、今まで生きてきた年数と同じ期間を生きつづけるとか。
これから、きっと私たちを守ってくれるに違いない。

この敷地は、東は田んぼ、西は夏の西日を避けられる雑木林、と変化がある。
それにあわせるように、ゆるやかな丘に建つ家は、四方のイメージがそれぞれ異なっていて面白い。
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室内は都会の家に比べ開放的で、シンプルで、一見山小屋風でもある。
やさしい家だと思う。
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この日は、奇しくも私の○○回目の誕生日だった。
でも、私の性格のなせるわざか、なんと台風並みの大荒れの天気になってしまった。
(写真は翌日撮ったもの)

でも、この大雨のおかげで雨漏りの場所を発見できたのだった。
晴れの日だったら、留守中の雨降りだったら・・・と考えると、感謝ものの天候だったのかもしれない。
オープンハウスで来られた方々にはお気の毒だったけれど。
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ありがとう、Mさん&Hさん、そして多くの職人さん。
いい家になったね。
今度は、きっと気に入ると思うわ。

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by nasutombo | 2010-01-18 23:10 | 建築綴り

塗装をやってみる。

ローコストの家が希望だった。
すでに、あの60本もの杉を建築材にしただけでも費用がかかっている。
でも私たちの要望はどんどん膨らんでいき、また木窓なども手作りとなると、現実的は難しかった。

で、せめて自分たちで出来ることはやってみよう、と
塗装の一部を自前でやることにして、数十万円を浮かせることにした。

工務店の土場に通って、外壁の板を塗ったり、
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現場のデッキを塗ったり。
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また、結局工期も1ヶ月延びてしまったので、お正月休みも塗装作業をするはめになった。
恒例餅つきも夫だけが参加して、私はひとり黙々と塗っていた年末だった。
冬のさなか、外での作業は寒くてきつかった。

床の部分は最後の工程で、二度塗りしたのは引き渡しが終わった翌日だった。
この日はMさんとHさんも手伝ってくれたが、
なんと、その数日前にもこっそりふたりで床塗りをしてくれたらしい。
その事を知って、けっこう感激した。
気さくに話もできない大建築家じゃなくて良かった、とつくづく思ったのだった。
(ま、薪ねだりの魂胆があったとしてもね。 ^^)

終わってみて、素人にはけっこう大変な作業だったけれど、
ほんの少し家作りに加われたことに、満足している。
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by nasutombo | 2010-01-17 00:26 | 建築綴り

その間に。

工務店に預けてある材で、カウンターやテーブル・棚などに使う用材選びをした。
これも、自前の材を使う家作りならではの楽しい時間だった。
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厚くて木肌のきれいな材を選ぶと、棟梁が年輪が密じゃないから良くない、と言う。
私たちはそんな事に気がつきもしなかったが、さすが長年木を扱ってきた職人さんだ。
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そうやって、ああだこうだと迷ったことも、今ではとても懐かしい。

いまは市場で安価になってしまった杉材だが、年輪の詰まった分厚い板はみごとだった。
たぶん、製材工場でもなかなか見ることのないものかもしれない。
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壁は漆喰。
ある日には、どんな塗り方をするのか、左官屋さんが見本を持ってきてくれた。
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この塗りならどんな感じになるのか・・・イメージがなかなかふくらまなかった。
全体的に木面があらわな室内なので、ハケ跡がうるさくないほうがいいだろう、
と、おとなしめの塗り方にしてもらったけれど、これは物足りなかったかも。


秋から冬にかけて何度も現地に通い、そのたびに大量の写真を撮った。
大工さんも増え、進化していく建物を見るのがとても楽しい日々だった。


その間に、建築家のMさん達と、落ち葉焚きで芋を焼いたり、薪作りや薪集めに行ったり
Mさんの山荘で飲み会をしたり・・・
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打ち合せ以外に、楽しい時間のおまけもあったのだった。
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by nasutombo | 2010-01-14 23:46 | 建築綴り

工期は?

さて、工事は順調に進んだか、と言えばそんな事は無かった。

最初の数ヶ月は、いつも棟梁がひとりっきりだった。
ひとりでは効率が悪いだろうなあ、とちょっと不安になった。
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訊けば、他の現場が遅れているのだとか・・・。
この工務店は工期が伸びるのが常だと聞いてはいたけれど、
できれば、新年は新しい家で迎えたい。
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そんな気持ちが伝わるのか、
冬が近づいて日も短くなり、大工さんは電気をつけてまで頑張ってくれてた。

敷地でヤブを整理していた夫が、夕方になって焚き火をした。
電灯の明かりと同じような焚き火の明かり・・・いい感じ♪ と写真に撮った。
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これも、建築中ならではの写真になったと思う。
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by nasutombo | 2010-01-13 23:14 | 建築綴り

上棟

棟上の日程を聞いたのは、その1週間前だった。 

平日にやるという。
東京の家では土曜日だったので、当然今回も、施主の仕事の都合に合わせてくれるものだと考えていた。
まあ工務店の都合もあるのだろうが、ちょっとガッカリだった。
棟が立ち上がる感動のシーンを見てみたかった、と今でも思う。
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その3日後の9月13日、近所の人も招いて上棟のお祝い会をした。

久しぶりに現地を訪れ、あの大黒柱ががっちりと組み合わされている姿に感動してしまった。
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ロフトの場所にあがって、工務店の社長が祝詞をあげてくれた。
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餅まきこそしなかったけれど、手作りの花瓶つきの花や、お酒や漬け物など差し入れてくれた。
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もしかしたら屋根勾配の向きが間違っているのではないか・・・と心配した人もいたらしい。
Mさんが、模型をみせながら、集熱のための勾配だと説明する場面もあった。
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ダイニングになるスペースで、楽しい宴だった。
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私たちがこの土地を買った後から、次々に家を建てて移り住んだ人たちばかりだったから、
出遅れていた私たちの仲間入りを、とっても喜んでくれた。
私はちょっと興奮して、ハイになっていたような気がする。
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by nasutombo | 2010-01-10 00:39 | 建築綴り

基礎作り

2週間後に出かけてみると、基礎作りの作業中だった。
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つねづね、家作りで一番大事な工程は、この作業ではないかと私は思う。
上物がどんなにすばらしくできあがっていても、
土台が正確・頑強にできていなければ、その家の価値は無くなってしまう。

その作業をしてくれたのが、Yさん夫婦と息子の三人の仲のいい家族。
(最初、人嫌いなのかと思っていた奥さんも、じつは話好きな人だった。シャイな女性だったのね。)
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我が家族と比べ、チームワークよろしく仕事をこなしている親子の姿が羨ましくなった。

このYさんとは、
家ができあがってからも、自作の「どぶろく」や「漬物」を届けてくれたり、
自宅にお邪魔してお昼をご馳走になったり、植木市やスーパーで出会ったり、アプローチを作ってもらったり・・・
ご縁のあるおつきあいが続くようになった。
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この頃は、毎週のように現地に出かけていた。
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林の中だった土地に、しっかりとした土台が出来上がっていく工程が面白かった。
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他と異なる土間の部分。
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東京の家作りでも体験したはずだったけれど、
ここはキッチン、あそこは寝室・・・家のイメージがわいてきてワクワクだった。
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by nasutombo | 2009-12-24 23:55 | 建築綴り

製材完了

注文していた杉の製材が完了して工務店に運んである、というので、
位置決めが終わった後、白河にある工務店の資材置き場に足をのばした。
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ワクワクしながら行ってみると、
あのたくさんの杉の木が、すべてこんな姿に変わっているのだった。
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使う場所や用途に合わせて、様々な厚みや大きさ・・・。
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なんだか、ちょっと感動ものだった。
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材の含水率は、それぞれで、
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まだまだ、水分が多い材もたくさんあった。
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一律ではないのが、天然乾燥の所以なのだろう。
これから、どんどんいい数値に落ちていくことを願うのみだった。
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by nasutombo | 2009-12-21 23:30 | 建築綴り | Trackback

位置決め

08年6月、雑木林のどの場所に建てるか、位置を決めることになった。
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都会の狭い敷地内では、否応なしに建てる場所が決まってしまうけれど、ここではそんな制約がない。
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敷地内で一番平らな部分にすることは、最初から決まっていたけれど、
窓からの眺望を想像しながら、何度もラインを微妙に動かしたりした。
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私はなるべく伐りたくなかったけれど、伐採する木・残す木も決めていった。
家のそばに残した木は大きく育ち、何年後かには、家を脅やかす存在になるらしい。
現に、近所では、その後庭の木を伐採してしまうところが多かった。

また、土壌調査の結果が、あまり良好なものではなかった。
この土地は、何十年もの腐葉土が積み重なり、それが柔らかな地盤を形成していた。
畑にはもってこいの土だったけれど、ここは重い建物が載る場所。 ちょっとそれでは困るのだ。

まあ、掘ってみてから補強するか決めましょう、ということでドキドキだったが、
結果は、黒い腐葉土の下に硬い粘土質が出てきた。
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ここまで掘れば大丈夫でしょう、と言う基礎を作ってくれる業者の言葉にホッとしたのだった。
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by nasutombo | 2009-12-21 23:03 | 建築綴り | Trackback

打ち合わせは続く。

その間も、打ち合わせは続いていた。

東京の家作りの時はMさんひとりだったけれど、今度は所員のHさんもいっしょだった。
若い女性が加わることで、綿密でかつ華やかな打ち合わせにもなったような気がした。

昼前の我が家の打ち合わせに、蕎麦打ちをやったりもした。
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(手前の蕎麦は夫が切ったもの。かなり太い・・・)
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居酒屋での打ち合わせだったり、Mさんの山荘に泊めてもらったり、忘年会やお祝い会を兼ねたり・・・。
4人とも飲兵衛なので、毎回、打ち合わせ後のアルコール談義が楽しかった。
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当初の模型やスケッチはこんな風。
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そして最終的に決定したものも、ベースは変わらなかったように思う。
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実際の家は物見台が無くなったり、異なるところもあるけれど、シンプルでなかなか良かった。
夫婦ふたりだけの、平屋の小さな家・・・。
Mさんは、”稲穂の海に出航する船” のイメージ、と言っていた。

こうやって、着々とセカンドハウス着手の日が近づいてきた。
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by nasutombo | 2009-12-13 22:22 | 建築綴り

いよいよ製材

07年10月、杉を伐採し葉枯ししてから早8ヶ月たった。
これ以上その場に置いておいても、あとは虫のえさになるだけだった。
で、いよいよ紹介された製材工場で、その形を変えることになった。

こうしてみると、ほんとうに立派な杉の木だ。
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Mさんの計算された指示通りに、いろいろな太さに製材されて機械から出てくる。
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その木肌の美しさに、一同感嘆の声があがった。
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八溝杉はピンク色の肌が美しく、この色合いは杉のなかでも評判らしい。
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写真ではその色が鮮明にならなかったけれど、なかなかのもので嬉しくなった。
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大黒柱も立派な材がとれた。
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杉のいい香りに包まれて、こんな家づくりができる幸せをつくづく感じるのだった。
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by nasutombo | 2009-12-13 10:35 | 建築綴り | Trackback