2週間後に出かけてみると、基礎作りの作業中だった。
つねづね、家作りで一番大事な工程は、この作業ではないかと私は思う。 上物がどんなにすばらしくできあがっていても、 土台が正確・頑強にできていなければ、その家の価値は無くなってしまう。 その作業をしてくれたのが、Yさん夫婦と息子の三人の仲のいい家族。 (最初、人嫌いなのかと思っていた奥さんも、じつは話好きな人だった。シャイな女性だったのね。) 我が家族と比べ、チームワークよろしく仕事をこなしている親子の姿が羨ましくなった。 このYさんとは、 家ができあがってからも、自作の「どぶろく」や「漬物」を届けてくれたり、 自宅にお邪魔してお昼をご馳走になったり、植木市やスーパーで出会ったり、アプローチを作ってもらったり・・・ ご縁のあるおつきあいが続くようになった。 この頃は、毎週のように現地に出かけていた。 林の中だった土地に、しっかりとした土台が出来上がっていく工程が面白かった。 他と異なる土間の部分。 東京の家作りでも体験したはずだったけれど、 ここはキッチン、あそこは寝室・・・家のイメージがわいてきてワクワクだった。 #
by nasutombo
| 2009-12-24 23:55
| 建築綴り
注文していた杉の製材が完了して工務店に運んである、というので、
位置決めが終わった後、白河にある工務店の資材置き場に足をのばした。 ワクワクしながら行ってみると、 あのたくさんの杉の木が、すべてこんな姿に変わっているのだった。 使う場所や用途に合わせて、様々な厚みや大きさ・・・。 なんだか、ちょっと感動ものだった。 材の含水率は、それぞれで、 まだまだ、水分が多い材もたくさんあった。 一律ではないのが、天然乾燥の所以なのだろう。 これから、どんどんいい数値に落ちていくことを願うのみだった。 #
by nasutombo
| 2009-12-21 23:30
| 建築綴り
08年6月、雑木林のどの場所に建てるか、位置を決めることになった。
都会の狭い敷地内では、否応なしに建てる場所が決まってしまうけれど、ここではそんな制約がない。 敷地内で一番平らな部分にすることは、最初から決まっていたけれど、 窓からの眺望を想像しながら、何度もラインを微妙に動かしたりした。 私はなるべく伐りたくなかったけれど、伐採する木・残す木も決めていった。 家のそばに残した木は大きく育ち、何年後かには、家を脅やかす存在になるらしい。 現に、近所では、その後庭の木を伐採してしまうところが多かった。 また、土壌調査の結果が、あまり良好なものではなかった。 この土地は、何十年もの腐葉土が積み重なり、それが柔らかな地盤を形成していた。 畑にはもってこいの土だったけれど、ここは重い建物が載る場所。 ちょっとそれでは困るのだ。 まあ、掘ってみてから補強するか決めましょう、ということでドキドキだったが、 結果は、黒い腐葉土の下に硬い粘土質が出てきた。 ここまで掘れば大丈夫でしょう、と言う基礎を作ってくれる業者の言葉にホッとしたのだった。 #
by nasutombo
| 2009-12-21 23:03
| 建築綴り
設計中でも、せっせと那須の土地には通っていた。
畑の真ん中に、大きな山桜の木があった。 春になるとオフホワイトの優しく可憐な花をつけた。 ソメイヨシノばかり見ていたので、なんだか珍しかった。 でも畑の日照を妨げたり、虫がついたりして、野菜作りにとっては邪魔者扱いになり、とうとう伐ってしまった・・・。 あとから来た人間の都合で命を絶ってしまったことに、申し訳ない気持ちにもなった。 その桜の木で、オットがベンチを作ってくれると言う。 まず、チェンソーで真ん中を切っていく。 けっこう太い幹だったので、刃が届かずタイヘンそう。 ようやく二つに分けられた。 デコボコな表面を、チェンソーでなでて滑らかにする。 足は、細い幹の部分を使った。 さあ、出来上がった♪ こんな素朴なベンチがふたつも出来て、遠く田んぼを見わたせる場所にセットした。 こうやって、人間の都合で伐られてしまった木が、 同じ土地で、また違った生き方をしてくれることに、なんだかホッとした。 #
by nasutombo
| 2009-12-17 23:12
| 手作り
その間も、打ち合わせは続いていた。
東京の家作りの時はMさんひとりだったけれど、今度は所員のHさんもいっしょだった。 若い女性が加わることで、綿密でかつ華やかな打ち合わせにもなったような気がした。 昼前の我が家の打ち合わせに、蕎麦打ちをやったりもした。 (手前の蕎麦は夫が切ったもの。かなり太い・・・) 居酒屋での打ち合わせだったり、Mさんの山荘に泊めてもらったり、忘年会やお祝い会を兼ねたり・・・。 4人とも飲兵衛なので、毎回、打ち合わせ後のアルコール談義が楽しかった。 当初の模型やスケッチはこんな風。 そして最終的に決定したものも、ベースは変わらなかったように思う。 実際の家は物見台が無くなったり、異なるところもあるけれど、シンプルでなかなか良かった。 夫婦ふたりだけの、平屋の小さな家・・・。 Mさんは、”稲穂の海に出航する船” のイメージ、と言っていた。 こうやって、着々とセカンドハウス着手の日が近づいてきた。 #
by nasutombo
| 2009-12-13 22:22
| 建築綴り
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