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いよいよ製材

07年10月、杉を伐採し葉枯ししてから早8ヶ月たった。
これ以上その場に置いておいても、あとは虫のえさになるだけだった。
で、いよいよ紹介された製材工場で、その形を変えることになった。

こうしてみると、ほんとうに立派な杉の木だ。
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Mさんの計算された指示通りに、いろいろな太さに製材されて機械から出てくる。
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その木肌の美しさに、一同感嘆の声があがった。
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八溝杉はピンク色の肌が美しく、この色合いは杉のなかでも評判らしい。
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写真ではその色が鮮明にならなかったけれど、なかなかのもので嬉しくなった。
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大黒柱も立派な材がとれた。
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杉のいい香りに包まれて、こんな家づくりができる幸せをつくづく感じるのだった。
# by nasutombo | 2009-12-13 10:35 | 建築綴り

杉の葉を落とす。

数ヶ月たって、葉枯し状態だった杉の枝を落とした。
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改めて見ると、なかなか素直な木で、
業者も、こんないい状態の杉の木は珍しい・・・としきりに言っていた。
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生まれ育った場所に横たわっている姿に、なんだか感傷的になったりした。
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終わってから、この伐採業者が「落ち鮎」食べに連れて行ってくれた。
とっても大きな鮎を食べきれないほどたくさんご馳走してくれた。 美味しくなぁ。
この人とは、道を作ってもらって以来だから、もう何年のつきあいになるだろう。
太っ腹の豪快な人で、どこに行っても人気者だった。

その場所を囲むように、新築の薪ストーブを夢見て、せっせと薪作りにも励んだり、
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アプローチの土留を作ったりした。
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# by nasutombo | 2009-12-13 09:42 | 建築綴り

杉の製材は

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結局、Mさんの構想どおり、すべて葉枯らしにしている杉で家を建てることになった。
で、どこで製材してもらおう。
建築を決めている工務店に問い合わせても、はっきりした返事が返ってこなかった。

2007年夏、Mさんに誘われて、隣町の大規模な製材団地に行った。
ここの天然乾燥スギを使う東京の施主さんがいて、同行させてもらったのだ。

仕事柄、いろいろな製材所を見たことがあるけれど、ここの広大さに驚いた。
数年前、この地域にあったいくつかの製材所がまとまってできた団地らしい。

構内に積んである多くは天然乾燥材で、その美しいこと!
人工ものは熱を加えて乾燥させるので、表面が焼いたように黒ずんでくるが、天然乾燥にはそれが無い。

これはもう、あの葉枯らしスギも天然乾燥しかない! と思うのだった。

ここで製材してもらいたかったけれど、小口は扱っていない、ということで、
代わりに、取引のある小さな製材所を紹介してくれた。
これで、また新たな展望が開けてきた。
はるばる遠くまで出かけた成果があって、ほっとしたのだった。
# by nasutombo | 2008-10-24 10:50 | 建築綴り

杉の伐採

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杉林が自分の土地になったけれど、さて、その杉の木はどうしたらいいのだろう。
そう思いながら、一年間そのままだった。

でも日照確保のためだったから、まずは伐採しなければ。
と、翌年の水分が少ない2月に、進入路をつけてもらった業者に伐採を頼んだ。

伐る前から、枝打ちしてある、まっすぐないい杉だと評判だったけれど、
いざ伐ってみると、百年を越えた素晴らしい大木で、しかも珍しい実生らしい。
年輪を数えてみたが、驚くほど目が詰んでいた。
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伐った杉をどうするか、その時点ではまだ決めてなかった。
私たちは、ようやく譲ってくれた前所有者の思いも考えて、柱の一本くらいは使おうかな、くらいの思い入れだった。
(出来合いの材を使うより、コストがかかりそうなので。)
でも、Mさんはせっかく有るのだから、全てこの杉で建築したい意向だった。
近所の人も、立派な杉を見て、ぜったいこの木を使うべきだと言っていた・・・。

とりあえず、伐った杉はそのままこの場所に寝かせておくことにした。
これを「葉枯らし乾燥」と言う。
これは、ある程度の水分が、葉から抜けるのを待つ方法で、昔はよく使われていたようだ。
時間はかかるけれど、利点は多々あるそうだ。
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あのうす暗かった場所に、杉の木が何本も横たわっている様は、壮観だった。
数えてみたら、60本ほどもあった。
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下の道から上がってくると、正面に田んぼが広がり、とても明るい土地に変身したのだった。
# by nasutombo | 2008-10-05 13:47 | 建築綴り

里の家つくりのパートナー

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さて、那須の家つくりはどうするか。
体験から、やっぱり設計をプロにお願いしよう。
で誰に・・・が、じつは多いに迷った。

東京の家は、ずいぶん熟慮して設計してもらったけれど、
隣家との関係も影響してか、いい家だと思えなくなっていた。
こんなはずじゃなかった・・・と思う箇所だけが、なぜか目についた。
多くのやりとりをしたつもりだったけれど、まだ足りなかったのだろうか。

設計してもらったMさんとは、竣工後も家族ぐるみでお付き合いしたり、
薪ストーブ仲間として、けっこう仲良くさせてもらっていた。
なのに、何年か経て、那須の土地のことを話しながらも、
はっきりと設計をお願いする、とまでは言ってなかった。

私は、家を建ててから、にわかに建物に興味が出てきて、
勉強会に参加したり、本を買ったり、建物を見学したり・・・
もう亡くなられた小井田さんの家に上がり込んだり、著名な永田さんと話をしたりもした。
同じ頃自宅を建てた友人と共に、今さらなんだけどね、なんて言いながら「家探検」をしていた。
別の人に設計してもらったらどんなだろう・・・と思うと、きりがなかった。


こんな具合の数年が経ち、そろそろ結論を出す時期になった。

ずいぶん迷っていたけれど、
この頃には、違う人に最初から自分たちの事を理解してもらう努力は、正直もうシンドイ気持ちになっていた。
私の性分からして、どんな人でも不平不満を感じるのかもしれない。
だとしたら、言いたいことが言えるMさんが一番なのでは。
しかも、東京の建築家のわりには、地方の山荘を多く建てられている・・・。

そう気がついて、二軒目もMさんにお願いしよう、と結論を出した。
ご本人の本音はわからない。
うるさい施主だったから、内心は嫌だったのかもしれない。

お金もまだ無いし、夫はまた単身赴任中だし・・・
急ぐことではないから、と実際の打ち合わせが始まったのが、それから一年後の06年4月。

以来、忘れた頃に打ち合わせをするような、のんびり型の設計が始まった。
お互い気心知れた、気楽な打ち合わせだった。 
そして、いつもアルコール付きだった。
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その間に、例の杉林の土地を売ってくれる話が、急展開したのだった。
# by nasutombo | 2008-09-09 22:46 | 建築綴り